札幌市白石区の建設業に強い千葉税理士事務所です。
今回は建設業にとって売上を上げるためには新規得意先を開拓することがベストなのかを考えてみましょう。
(目次)
1.売上を上げる方法は3パターン
2.新規得意先は増えれば増えるほどよい?
3.新規得意先を増やすときの注意点
建設業は売上を伸ばすには新規得意先開拓がベスト?

1.売上を上げる方法は3パターン
建設業で売上を上げていくためには、大きく分けると次の3パターンがあります。
①現在の得意先の現場数を増やす
②新規の得意先を増やすことで仕事を増やす
③既存得意先の値上げ
建設業の売上を上げる3つの方法
既存得意先からもらえる仕事の数を増やすという考え方が①の現在の得意先の現場数を増やすという方法です。
この場合には、元請け側に仕事があってこちらに仕事を請ける余力があるときに行うものになります。
元請けに仕事が薄いときには、売上を上げるということができないということになります。
このような状況下を回避するための方法として、②の新規得意先を増やすことで仕事を増やすということになります。
ただし、業界全体に仕事が少ない場合には②の方法による売上増加は難しくなります。
③の既存得意先の値上げは工事量自体で売上を上げる方法ではなく、単価での売上アップです。
これは仕事量の減少があったときにもダメージを減らすことができ、仕事量が増えた時には効率的に収益を上げることができる方法になります。
当たり前のことを言っていると思うかもしれませんが、この考えを深く理解している経営者は少ないのです。
この3つの方法をどの場面でどのように使っていくかで建設業の業績は大きく変わります。

2.新規得意先は増えれば増えるほどよい?
一般的には会社を成長させる=売上を伸ばすという考え方になります。
そう考えると、仕事を増やすには新規得意先が増えるほど売上が上がるチャンスを増やすことにつながりそうです。
なぜなら、元請けに仕事がなければ下請け業者には仕事が回ってこないからです。
複数の元請け先があれば「どこかの元請けからは仕事が来るはず」だからです。
経営的に考えるとこれはある意味正しいですが、ある意味間違いになってきます。
新規得意先をむやみやたらと開拓すると会社は儲からなくなることがあります。
特に仕事のない時期に新規得意先開拓をやっても、良い単価でよい仕事をもらえるはずがありません。
自社に仕事がないときに限って、新規得意先開拓をしたくなってしまうのが人情です。
新規得意先が増えれば増えるほど会社にとってよいのではなく、自社の成長を狙った新規開拓という考え方をしなければ得意先ばかり増えて、利益がついてこないことになるので注意しましょう。
また、新規得意先開拓の時に締め・支払のサイトを甘くすると後々大変なことになります。
個々の部分でも、とにかく売上が増えればよいという考え方はやめておきましょう。

3.新規得意先を増やすときの注意点
新規得意先を増やすときには次の点を注意しましょう。
①自社が何を狙っているかを明確にすること(得意先を増やす目的)
②営業社員に基準を伝えて開拓させること
③定期的に得意先のチェックを社長が行うこと
建設業の新規得意先開拓の注意点
この部分をはっきりさせなければ、自社の成長にふさわしくない新規特先が出てきます。
その結果、得意先の数ばかり増えて売上や利益が増えないことになります。
そして、社員は常に「忙しい」というようになります。
きちんと社長が自社の成長をどのように達成するのかを考えて、得意先開拓を決めなければなりません。
私たちは、建設業の経営に力を入れたい社長からご相談をいただく際にはこの考え方もしっかりと伝えていきます。
決算書の数字だけをみて、良い、悪いというのは過去の話です。
新規得意先開拓や売上アップを狙うのは将来に対してです。
だから、過去の数字が悪くとも、将来に対して対策を取っていくと5年後・10年後は良くなっていく可能性が高くなります。
もしも、建設業の経営についてもっと考えたいという社長がいらっしゃればぜひご相談ください。
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