札幌市白石区の経営に力をいれている千葉税理士事務所です。
私たち千葉税理士事務所は「建設業に強い」ということを開業時から目指してきました。
そのため15年以上にわたり建設業のお客様とのお付き合いがあります。
以前はただ帳簿を入力したり、その会社の領収書・請求書をチェックして決算を組んでいただけですが最近では建設業のお客様に対しても経営についての相談も増えております。
その中で気になるのは現場利益がわかっているのだけども、経営的な使い方ができていないという方が多いのです。
(目次)
1.現場利益とは
2.人工請けと現場請けはどちらが得か
3.まとめ
1.現場利益とは
建設業の方であれば「それくらいわかっている」という声が聞こえてきそうです。
そうです、建設業の社長は現場利益を大体掴んでいます。
ただ、その現場利益の掴み方が経営的に使えないことがあるので注意が必要です。
社長はその現場の売上とそれに対応する給料と材料・外注の大体の感覚で現場利益を押さえていることが多いと感じます。
これは現場利益の把握としては「合っている」と思います。
経営的に使えない現場利益の把握方法は、この給料を日給月給の人以外も割振りをして考えてしまうケースです。
もっと悪いのは、税理士事務所や会計事務所が出してくる試算表や決算書の「製造原価報告書」というものです。
(会計的な現場利益)
現場利益=現場の売上-現場にかかった材料・消耗品・ガソリン代+外注費+リース料+現場保険+人件費+現場事務所家賃+重機などの減価償却費など
このようなものが集まって「製造原価項目」というものが作られています。
決算書や試算表にはこれが現場の原価として計算されて、現場売上から差し引かれて「売上総利益(現場利益)」というものが表示されます。
この売上総利益を見ると現場から出せている利益は「○○万円・粗利益率〇%」というように表示されます。
残念ながら今期の現場は儲かった・儲からなかったをこれを見て判断するのは間違いなのです。
なぜなら、現場に関係あるものでも「固定費」と「変動費」というものに分けて考えなければその現場が儲かっているのかどうかわからないのです。
2倍の粗利益を出そうと思ったら現場を2倍やらないとダメというように思いこんでしまうのは、この間違いなのです。
本当に儲かる会社を作りたかったら、経営的に正しい数字の使い方をして分析することが重要なのです。
ちなみに、売上を2倍にすると黒字倒産のリスクが大きくなるので注意しましょう。
2.人工請けと現場請けはどちらが得か
建設業の下請け現場でよく起こる取引形態は「人工請け」です。
1人・1日当たりの単価決まっていているものになります。
基本的には1人工の売上は出勤日×人工単価になるので、支払う日給との差額が会社の利益になります。
現場請けの場合には現場の請負金額から現場にかかった経費を引いた分が利益になります。
では、人工請けと現場請けはどちらが得なのかが問題になってきます。
これは時期や内容によって異なった結果になります。
人工請けでも利益を出すことができますし、現場請けでも大きな利益が出るケースもあります。
見積もりが苦手な会社は人工請けでやらなければ大きな赤字を出す傾向があります。
人工請けの場合でも、固定費が高い場合は会社全体として赤字になったりもします。
人がたくさんいなければ利益が稼げないのが人工請けです。
最近では土日が休みという現場も多いので、休みが増えるほど売上も下がります。
経営者が自分の会社の将来をどう考えるかで仕事の請け方を決めなければ5年後には人がいないということになります。
まずは、今の借入残高から「このままいったらどうなるのか」を最低限シミュレーションしてみてください。
3.まとめ
私たちは15年以上にわたって建設業のお客様の経営を見てきました。
特にここ数年は本格的に建設業の経営という視点で数字を見ています。
最近は建設現場の環境が急激に変化しています。
建設業の社長の経営に対する考え方を変えていかなければ、元請けは儲かって下請けはつぶれるという構造になりそうで心配です。
もしも、建設業で経営についての相談をしてみたいという方は今すぐご相談ください。
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