札幌市白石区の経営に力を入れている千葉税理士事務所です。
さて、今回は「前年同月比」について考えてみたいと思います。
会計事務所が提供する試算表には前期比較というものがあります。
私たちも会計ソフトで出すことができる、この前期比較というものだけで経営は大丈夫でしょうか?
(目次)
前年同月比が上がっている意味
前年同月比が伸びていても成長しているとは限らない
大切なとは傾向で捉えること
前年同月比が上がっている意味とは
最近では雇用調整助成金やコロナ融資などで対前年比較の資料を良く求められます。
去年より売上が〇〇%上がった、下がったを比較することで助成金や融資の可否が決まるので必要性がわかります。
経営的な説明として、去年の同じ月より上がった、下がったはどのように考えていますか?
私が昔勤めていた時であれば、
「売上が前年の同じ月より○%上がっていて、粗利益率が〇〇%上がって利益があがりましまて」というような説明をしていました。
社長もうなづいて聞いているだけになってしまいました。
なぜなら、過去の数字の説明で否定したりすることがない事実を述べているだけだからです。
その後で、これくらいの売上があれば損益トントンです。
ただ、難しければ必要利益から見ると〇〇万円足りないので経費を〇〇万円減らせればトントンになります。
昔の自分のダメな説明はこんな感じでした
こんな話です。
今であれば叱り飛ばしたくなるような説明を当たり前にしていました。
社長自身、そんなことは言われなくても体感的に分かっています。
「お前に言われなくてもわかってるよ」なんです。
しかし、やさしい社長は我慢して聞いてくれているだけです。
話はそれましたが、前年同月比が上がっているのは「あまり意味がない」可能性が高いです。
理由はなんとなく上がったり、下がったりしただけだからです。
頑張って上がったのかもしれませんが、狙ってあげていますか?
そうでなければ同業種が伸びている時は勝手に上がります。
同業者が下がる局面では下がります。
ただそれだけの話です。
前年同月比が伸びていても成長しているとは限らない
先ほどの話の続きになりますが、前年同月比が上がった、下がったは、ただの事実確認です。
重要なのは他社と比べて上がっているか、下がっているかなのですが、そこに意識が向いていないのです。
社長は向いていても会計事務所は向いていません。
成長しているのであれば他社よりも伸びているのかどうかです。
この意識がなければ成長しているかどうかがわからないのです。
私たちはこの意識を社長に持ってもらうために月次打ち合わせをしています。
なぜなら、お客さまにはより良い黒字になっていただきたいからです。
大切なとは傾向で捉えること
もしも、将来が急激に好景気になるとわかっていたら何をしますか?
お金を借りて、人を採用して、設備投資をすると思います。
この将来が急激に好景気なるかどうかは、前年同月比では全くわかりません。
上昇傾向であれば、好景気になるかもという捉え方はできます。
この違い重要です。
だからこそ、前年同月比だけを信じてはいけないのです。
どうしたら傾向で掴めるかを考えることが大切です。
私たちは、年計グラフというものでお客様の傾向が視覚化されるようにしています。
未来に手を打つということは、事実確認だけでなく、傾向を掴むということも重要です。
さらに、その資料から何をどう読み解くのかによって解釈も変わります。
月次のうちが合わせが重要なのはここにポイントがあるのです。
経営についての打合せをしていきたいという方は是非お問合せください。
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