札幌市白石区の経営に強い千葉税理士事務所です。
今回は2023年7月28日に中央最低賃金審議会の小委員会で2023年度の最低賃金の目安を全国平均で時給1002円とするという決定があったことを受けての経営について考えてみます。
せっかく毎月会うのであれば、こういう話を毎月税理士さんとしてみてくださいね。
(目次)
1.最低賃金は伸び続けている
2.今黒字の会社も最低賃金1,000円超で問題が出る
3.今後も伸び続ける最低賃金上昇に対応する経営と税理士さんの関係
1.最低賃金は伸び続けている
日経新聞の記事によると今回の最低賃金の伸び率は4.3%となっており、1991年度以来の水準となっているそうです。
1991年度以来といわれると、かれこれ30年以上前の話です。
若手社員はもとより、中堅社員でもこんな賃金上昇を経験していない可能性があります。
中小企業の社長で50代以上でなければ、これほどの賃上げをする側として経験したことがないということになりそうです。
1991年度はどれくらい前かというと、消費税が導入されたのが1989年(平成元年)4月1日ですから、消費税が始まって間もなくの時期です。
1991年は景気基準日付というものでみると、1991年2月がその時の景気の山としてそこから下降傾向が1993年10月まで続いたという時期になります。
1991年2月をピークとする山はその後の景気の大きさよりも大きな山でした。(2008年2月までの期間)
ちなみに全国加重平均の最低賃金は1991年は541円で令和5年は今回の新聞報道では全国加重平均の最低賃金平均1002円となったわけです。
この32年の間で最低賃金は185%になっているということになります。
会社が稼いでいる粗利益が185%になっていなかったら、最低賃金の上昇に耐えられずに人件費でどんどん利益がなくなってしまっているということになります。
さらに、1991年は6,505万人・2022年の労働力人口は6902万人です。
15歳以上の人口のうち、労働力人口とは就業者と完全失業者を合わせた人口のことをいいます。
数字上は増えているのですが、1994年の改正高齢者雇用安定法により60歳以上での定年制が強行規定となっているので、1991年時点では定年は60歳よりも早い会社もあったと思われます。
1991年当時は年金をもらって働かないということが時代背景にあったと仮定すると、今の労働力人口は年齢の高い方の雇用が労働力に含まれていることでの増加ということも考えられます。
実際には改正高年齢者雇用安定法(令和3年4月1日から施行)では、70歳までの定年年齢引き上げを義務付けるものではないとなっていますが、就業機会を与える努力義務があることになっています。
個人的には国の政策云々よりも、元気な人が働きたいだけ働ける会社が増えたらいいなと思います。
ただ、最低賃金が上昇していく中では、どうしたらあらゆる年齢の人の雇用を守っていけるのかということを考えて経営をしていかなればなりません。
これらかもずっと最低賃金は上がっていくという前提で経営を考えていきましょう。
2.今黒字の会社も最低賃金1,000円超で問題が出る
では、今黒字の会社は最低賃金があがっても問題がないのかというとそうではありません。
先ほどお話しした通り、この32年間で最低賃金は85%アップしています。
つまり、今後は最低賃金が上がっていくことで同じ利益を出すためには、人件費分の粗利益を稼がないと赤字転落に向かっていくということです。
さらに、人件費が増えるということは、社会保険料の額も増えていくことになります。
特に、年収130万円の壁という話がでており、長期的には社会保険加入者の枠自体が拡大されることも想定されます。
今以上に、社会保険の負担は増えていきます。
利益を出さなければならないところですが、日本の人口が減少していく中で、ものが売れにくい環境になっていくわけです。
それでも、利益を上げるということを意識しなければ、徐々に苦しい経営になっていきます。
今黒字の会社だからと安心しきっていると、気が付いた時には金融機関との融資条件が悪くなっていたり、赤字になりやすい会社になってしまうということがおこります。
3.今後も伸び続ける最低賃金上昇に対応する経営と税理士さんの関係
かなり暗い話ばかりしてしまいましたが、安心してください。
この記事に興味を持っていただけた経営者の方であれば大丈夫です。
あなたの税理士さんに最低賃金があがるそうだけども、どうしたらよいと思うと質問してみてください。
この質問によって税理士さんの経営に対する考え方がわかります。
その考え方に基づいて、あなたの会社は日々の打合せで情報をもらっているのです。
本当に会社にとって良くない人材がいらっしゃる場合は別ですが、私たちは最低賃金が上がるなら働く時間を減らしましょうやリストラをしましょうとは言いません。
私たちであれば、次のような答えになると思います。
元々、最低賃金が上がることで怖がっていたのでは、あなたの会社に来てほしい人材は来ないはずです。
昔から最低賃金よりも高い給料をお約束することで、社員の方・パート・アルバイトの方に選んでいただいていたはずです。
だからこそ、あなたの会社はよりよい商品・サービスをお客様に提供することができたのです。
そのおかげで今の売上、利益が出せています。
もしも、周りの会社が時間を短くしたり、リストラをしたのであればその会社の売上が下がってくるかもしれません。
私たちは、みんなの給料をもっと上げていけるようにお客様によいサービスができるようにしましょう。
これは社長だけでなく、従業員の方ともお話をして頑張っていきましょう。
千葉税理士事務所の最低賃金上昇局面での考え方
みなさんの税理士さんの経営に対する考え方を聞ける良いチャンスですので、この話題をしてみてください。
もしも、私たちの価値観に近い会社様で経営の話をしたい方は今すぐご相談ください。
ご相談電話;011-858-7007
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