年間延べ250社以上の実績

人手不足で悩む建設業は「いくらの売上」を上げれば採用できるのか

札幌市白石区の建設業の経営に強い千葉税理士事務所です。

人を採用したいけどもとりあえず人が増えたらなんとなかると考えていませんか?

キャッシュが潤沢にある会社であれば、人の採用をしても問題はありませんが、長期的に大丈夫かどうかはわかりません。

今回は人を採用するときに「いくらの売上」が必要なのかを考える基準をお話しします。

(目次)

1.とりあえず採用することが難しい理由

2.計算して出た金額は今の人件費

3.必要な売上は決算書の数字からは出ない

1.とりあえず採用することが難しい理由

建設業では「人さえいれば売り上げは上がるんです」という話をよく聞きます。

実際のところ建設業だけではなく、他の業種でも同じ話が良く出ます。

人がいれば売上が上がると考えるのは、ある意味仕事のある時の考えになります。

つまり、今、忙しいから人さえいれば売上が上がるという話になります。

では、仕事のない季節に人さえいれば売り上げが上がるのでしょうか?

これが「とりあえず採用することが難しい理由」です。

何の話かよくわからないですよね。

年間を通して人を採用できるだけの利益をいまだしていなければ、仕事のない時には赤字になってしまって人の雇用を維持できない会社になってしまうということも考えなければならないのです。

仕事がないという状況にならないようにする。

もっと言い方を変えると、仕事量はなくとも利益が出せるように経営を考えなければ人の採用ができる会社にならないということです。

2.計算して出た金額は今の人件費

少しややこしい話をしてしまいましたが、人を採用するために必要な売上の計算方法を考えてみましょう。

増える人件費÷粗利益率=必要な売上高 ということになります。

人件費の分だけ利益が増えなければ、今よりも利益が下がってしまうからです。

ここで注意点は、今の計算方法で出てくる人件費は基本的には今の人件費予定額だけです。

この人が10年後も同じ給料で働いてくれるのであれば、ずっとこの計算でよいのですがそんなことはありません。

むしろ、人件費は上昇していきます。

「採用≠単年度契約」ですから、将来の人件費も同様に計算していかなければなりません。

さらに、採用した人件費の上昇だけではなく、今いる従業員さんも同様に昇給していかなければ人が付いてきません。

とりあえず採用というのは計画上無理があるので注意しましょう。

3.必要な売上は決算書の数字からは出ない

先ほどの人の採用に必要な売上の計算で、人件費÷粗利益率とお話ししたと思いますが、これを決算書に載っている粗利益を使って計算すると間違いになることが多いので注意しましょう。

それは、建設業・製造業は製造原価報告書というものが粗利益率に影響します。

ちょっとわかりにくいかもしれないので、場合によっては税理士さんに聞いてみてください。

その製造原価報告書の中の経費には、経営判断するうえで正しい粗利益計算ができなくなってしまう経費が含まれています。

自分でその修正をして計算しなおした粗利益を基に粗利益率を計算してから必要売上を出さなければなりません。

経費には売上が上がるほどかかる経費を変動費といい、それ以外のものを固定費というものに分けます。

決算書に載っている細かい経費の科目を変動費と固定費に分けてから、粗利益率を出します。

①粗利益=売上高-変動費

②粗利益-固定費=利益

正しい粗利益と決算書の関係

というように、税金の申告書についている決算書を組み替えてから計算します。

これを組み替えないと次のような間違った判断をすることになります。

①仕事が薄い時は粗利益率が低くなる(固定給も製造原価にはいっているため)

②減価償却費が多い時は粗利益率が低くなる(減価償却費も製造原価に入っているため)

税務申告書の決算書をそのまま使うと経営判断を間違う理由

おかしいと思いませんか?

決算書の粗利益を使って計算すると仕事がないと現場自体の利幅がなくて、設備投資をすると現場の利幅が減るというのが起こってしまいます。

その現場が翌期にまたぐ場合には、現場経費は翌期の経費になるので仕事がなくても利益が出ます。

これは社長の感覚とは大きくずれたものになっているはずです。

社長の現場の儲かったかどうかの判断は現場にかかった材料と外注費です。

人件費は現場があろうがなかろうが払っていかなければ、人の採用・定着なんてできないはずです。

でも、税務申告書の決算書は社長の判断とは全く関係ない粗利益(現場利益)が出てしまっているのです。

だから、人を採用するためにはいくらの売り上げが必要なのかも計算できなくなってしまっているのです。

社長が数字に弱いのではなく、数字の使い方を教わっていないだけです。

特に、今後は日給月給の採用が難しくなることから固定給を保証してでも利益を出していかなければなりません。

その時に、決算書に載っている粗利益で計算すると経営判断を間違えます。

経費の種類を変動費と固定費に分けてから、いくらの売り上げが必要なのかを考える癖をつけましょう。

今でさえ採用に苦労している会社はこれができなければ将来もっと苦しくなります。

本当に経営について深く考える場合は、これが第一歩で、次には売上についても考える必要があります。

そして、さらに資金繰りについての影響も考える必要があります。

まずは、税務申告で作っている決算書をそのまま経営判断に使うと間違いになることが多いので注意してください。

もしも、建設業の経営について考えたいという方は今すぐご相談ください。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

私たちが選ばれる理由とは

超濃厚な資料の一部はこちら

まずはこちらがおすすめです。

お問合せ

お問合せQR
TOP