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建設業で儲かる仕事を断ってしまっている理由とは

札幌市白石区の建設業に強い千葉税理士事務所です。

私たちが建設業の社長とお話をしていく中で粗利益率は何%ですかとお聞きすることがあります。

その数字と決算書の数字が異なっていることが良くおこります。

今回は建設業の経営者の方がいつも見ている決算書や試算表で見えている粗利益率は本当だろうかという話をします。

(目次)

1.建設業の決算書で粗利益率は何%ですか?

2.自分の感覚VS決算書の粗利益

3.決算書で判断すると儲かる仕事を断ってしまう理由

建設業で儲かる仕事を断ってしまっている理由とは

1.建設業の決算書で粗利益率は何%ですか?

突然ですが、建設業のあなたの会社の決算書の粗利益はいくらでしょう?
そして、その粗利益率は何%でしょうか?

もしも、今手元の決算書を見ないでも答えられる経営者の方がいたら素晴らしいです。

決算の数字を覚えている経営者はそう多くないのです。

なんとなく、売上が○○億や○○千万・利益は○○万円という感じでは覚えていたりしますが。

これでも会社は回っているし、事業に問題がないという会社もあると思います。

今回は少し、自社の数字に興味を持っていただくきっかけになればと思い決算書の数字をお聞きしています。

お手元に前期の決算書と今の試算表を用意してみてみて下さい。

余裕があれば3期くらいの決算書を用意してみてください。

建設業の決算書の粗利益率はその年度ごとで大きく変わっている会社もあるはずです。

下手をすると、粗利益(売上総利益)がマイナスになっている建設業もあるはずです。

最初から損をする見積もりなんて作った記憶なんてないのに、決算書は赤字だったり、思った粗利益がでていないなんてことも多いと思います。

なぜ、こんなことになっているのかは次で説明します。

2.自分の感覚VS決算書の粗利益

建設業の会社の決算書は製造原価報告書というものがあります。

これは会社の経費のうち現場にかかる経費を集約したものになります。

・現場従業員給与や賞与

・現場従業員の社会保険料

・現場で使う車関係の経費

・現場の賠償責任保険料

・現場で使う消耗品

・現場で使う車両や機械の減価償却費

・現場の外注費

・現場で使う材料 など

製造原価報告書に含まれる経費の例

そのほかには決算書には「販売費および一般管理費」という経費の集合体もあります。

こちらは現場以外の経費関係になります。

・役員報酬

・事務員給与

・事務所家賃

・経営者保険の保険料

・銀行振込手数料

・求人広告費 など

販売費および一般管理費の例

決算書には製造原価報告書に現場にかかった経費が集約された結果、期によって粗利益が大きく変わってしまいます。

例えば、赤字になりそうだからと現場で使っている車両や減価償却費を調整すると粗利益率は高くなります。

現場でかかる経費に振り分けたものが多ければ多いほど粗利益率は下がります。

現場経費のおおきな物件が期をまたいで仕掛(在庫)になってしまうと、その未完成現場の経費は翌期の経費になるので今期の現場経費は少なくなります。

一方で、社長の見積もりの考え方も見ておきましょう。

社長の見積もりの考え方はいたってシンプルなはずです。

「その工事の売上-その工事にかかる材料・外注などの経費・現場諸経費」が基本だと思います。

これを前提に儲かるか、儲からないかを判断していることがほとんどです。

そして、この考え方は間違っていません。

これで儲かるはずなのに、決算書を見たら儲かっていないのには理由があるのです。

3.決算書で判断すると儲かる仕事を断ってしまう理由

先ほどの社長の感覚があっているはずなのに儲からないという決算書になってしまうのは経費考え方に違いがあるからです。

経営上正しい考え方会社の経費を変動費と固定費という属性に分けて考えます。

これを社長は無意識にやっているので、見積もりはあっているのです。

変動費は現場の売上が上がるほど増える費用です。

・材料費

・外注費

・現場消耗品費

変動費の例

固定費は売上の増減に影響されにくい経費です。

・固定給の人件費

・家賃

・年間契約のリース料などの経費

・水道光熱費や通信費

・現場保険料や自動車保険などの保険料

・減価償却費

固定費の例

社長の見積もりの勘は基本的には現場利益は「売上-変動費」で考えています。

この考え方で儲けを見るのはOKです。

似ているけども間違っている社長もいるので注意が必要です。

売上-変動費-固定費の割振り=間違い

社長の儲け感覚の間違い

固定給や細かい経費をそこに入れて考えて儲かる・儲からないを決めてしまっていたりします。

変動費以外の固定費を見積もりの根拠に入れると、本当は儲かっている現場でも儲かっていないように見えてしまうのです。

そのせいで儲かる現場を断ってしまったり、値引き依頼が来た時に赤字になると勘違いして取引自体をなくしてしまったりしているのです。

決算書の粗利益を見て、会社の経営を考えると本当は何をすべきかが見えなくなります。

これは会計事務所がつくる決算書は税務的に正しい処理にする必要があるから怒っています。

経営的には正しくないのですが、会計や税務の世界ではその処理が正しいのです。

その数字の見せ方を終始して経営判断をしていくことで、何をしたら利益がでて何をやめなければならないのかが見えてきます。

ただ、自社の決算書を見ているだけではダメですよ。

きちんと経営的に使える決算書に組み替えて判断してください。

もしも、経営的に判断できる資料で打合せがしたいという方は今すぐご相談ください。

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