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TV番組でもわかる安売りをやめて勝負する方がよい理由

札幌市白石区の経営に力をいれている千葉税理士事務所です。

私たちはお客様の安売りを良しとは考えていません。

中小企業は「利益が出ないのは収益が不足しているから」という前提で事業を進めていかなければならないからです。

11月12日放送の「くら寿司さん」の回をたまたま見ていたのですが、「まさにこの話だなー」と感じました。

(目次)

1.経営者がコスパ主義だと売上は下がる

2.くら寿司さんが頑張ったポイントが勉強になる

3.まとめ

1.経営者がコスパ主義だと売上は下がる

飲食店に多いのは「うちの店、どこか無駄なコストはありませんか?」という質問です。

この質問は1回や2回ではなく、過去よく聞かれていました。

毎月の打合せで売上・経費・利益の報告をすると「無駄なものないですか?」です。

利益が少なかったら、無駄なものを使っているなら削りたいと聞かれるのです。

この質問は税理士さんにしても無駄です。

領収書の中身で無駄かどうかなんてわかるわけないからです。

仮に次の例で考えてみましょう。

①売上100万円

②粗利益70万円(粗利益率70%)

③固定費71万円

④差引②-③=▲1万円の赤字

飲食店のよくある例

粗利益率を2%改善すると1万円の黒字になります。

客単価1,000円で、原価が280円であれば粗利益率72%になります。

原価は300円→280円にできれば何んとなかなりそうです。

これだけでは足りずに、ガソリン代やトイレ用品などの消耗品も削ったら何とかなるかもしれないと真剣に考えてしまったりします。

経営者になるとこの利益の出し方は「お客様に不自由を増やす要因になっている」ということを忘れてしまいやすいのです。

2.くら寿司さんが頑張ったポイントが勉強になる

令和4年10月1日より「くら寿司さん」は110円の料金設定から115円設定と値上げに踏み切りました。

最低金額を改訂するにあたって、ただ値上げをしようとは考えなかったようです。

価格を改訂させていただくのであれば、もっとよいものを良心的な価格で提供しようという努力をされているように見えました。

これが非常に大切な考え方だと思います。

言い方は悪いかもしれませんが、「高いから店に行かない」というのは客層が異なっているからです。

しかし、「まずいから行かない」は客層以前の問題になっているということです。

売上が下がってきたときに「安くしたら売れる」と考える経営者が多いのは、この客層の違いと「そもそもの話」をはき違えてしまっているのです。

そして、間違ったコストダウンをしてより品質の悪い商品を出してしまい、ますます売上を自分から下げてしまうことがあります。

くら寿司さんのケースでは、よりコストをかけて良いものを出すという値上げをしたことで品質の向上につながっていっているようです。

どうしても、値上げが悪いものに感じられる報道もありますが、会社が事業を続けていくためには良い値上げをしながらお客様サービスの質を上げていく必要があります。

3.まとめ

売上が上がらないときには誰しも不安になります。

どうしたら売上が上がるのだろうと四苦八苦した結果、割引や安売りをするとお客様は戻ってきてくれるかもしれないと考えてしまいます。

売上が下がったのに、安売りをすると「数が変わらない場合、ますます売上が下がる」ということが見えなくなってしまうのです。

「なぜ売上が下がったのか」ということをしっかり考えて手を打たなければ赤字が増えます。

今回のTVはあえてコストをかけることで売上を上げることを目指す戦略をとっていました。

コストダウンをすることで味に問題を出してしまえば、値下げをしても売上が下がります。

値上げをすると、もっと売り上げが下がります。

おいしいということで選んでいただけることができれば、売上が上がり、利益も増えていきます。

経営について考えてみたい方は「無料の財務診断」をどうぞ。

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