建設業の経営者のほとんどが下請けをしています。
元請けになるという場合にいは、土木であれば大きな規模の工事を受注することがほとんどになりますし、建築にしても資金力がなければ元請け施工は難しいかもしれません。
下請けとして事業をしていくことがほとんどの建設業の中で、儲からない建設業と儲かっている建設業に分かれます。
これはどの業種でも「うまくいっている先」と「うまくいっていない先」があるのと同じです。
今回は建設業の経営者が苦手な下請け仕事とは何のことを言っているのかを見ていきましょう。
(目次)
1.建設業の経営者が苦手な下請け仕事とは
2.経営者がすべきことは利益を出すこと
3.建設業の単価交渉のポイント
1.建設業の経営者が苦手な下請け仕事とは
建設業の経営者が苦手な下請け仕事とは「単価交渉を自分でする」下請け仕事です。
下請けですから単価を好き勝手に決められないことはわかります。
しかし、経営者として「いくらの仕事」でなければ赤字なのかが計算できていないまま、「この金額で仕方がない」とずっと付き合いを続けていることが多いです。
去年が○○万円だから今年も○○万円でという流れで受注していたりします。
もっとひどいのは仕事が終わった後で単価が去年と同じだったと気が付くケースです。
問題なのはわかっているものの、具体的に「利幅が薄い」「仕事をくれているから」という基準で仕方ないとあきらめてしまっているのが実情です。
経営者としてやるべきことではなく、職人としてやるべきことに終始してしまっているため長期的には便利な外注先として扱われてしまいます。
2.経営者がすべきことは利益を出すこと
なんとも当たり前のことをいっているのですが、利益を出すことは経営者の一番の仕事です。
この「利益を出すこと」という大切なことの捉え方が3種類に分かれます。
① コストダウンをして利益を出す
② 売上を上げて利益を出す
③ 現場利益を上げて利益を出す
建設業経営者の利益の出し方
① コストダウンをして利益を出す
赤字体質の会社の経営者が一番よく考えているのが「コストダウン」による利益創出です。
社長の交際費ではなく、人件費や消耗品などを削って利益を出すことを考えます。
特に問題になるのは人件費を削ることです。
今や建設業で人手不足は当たり前、他業種を含めて人手不足や採用難です。
それなのにコストカットの対象を人件費とすれば人のいない会社になって当たり前なのです。
② 売上を上げて利益を出す
頑張り屋さんの社長は売上を伸ばすことで改善できないかを考えます。
とても前向きでよい傾向です。
注意点は「赤字の現場」で売上を増やすと「赤字が増える」という問題です。
さらに、手形などの入金サイトの悪いもので増やすと資金繰りが詰まってしまうので注意が必要です。
③ 現場利益を上げて利益を出す
今回の一番のポイントは「現場利益を上げる」ことで利益を出すということです。
儲かる現場を増やして利益を上げていくことが一番難しく、重要なところです。
現場利益を上げるには単価を上げることが一番重要です。
コストカットで現場利益を上げることもできますが、無駄なものがある場合を除いてやればやるほど会社は衰退していきます。
3.建設業の単価交渉のポイント
建設業の単価交渉にはやり方があります。
実際にはその会社の置かれている状況によって異なりますので、税理士さんに相談してみてください。
やり方を間違うと仕事がなくなるリスクもありますので注意が必要です。
実際にいくらの金額でなければ自社が赤字になってしまうのかを計算することからスタートになります。
今の取引先との契約条件でどれくらいの利益が出ているのかを知らなければ、交渉のもとを計算できません。
私たちに相談いただいた際にも、現状の取引先様との条件などを基に計算をしています。
そのうえでその会社の置かれている状況から利益体質になれるようにできることを時間を掛けながら進めていきます。
一気にやってしまうとリスクが大きくなってしまいかねないこともあるためです。
もしも、建設業で利益を増やしていきたいという方はまず税理士さんに相談してみましょう。
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